業種問わず、様々なアプリケーション開発やシステムの構築をしていると、日々何かしらの問題や疑問が出てきます。それはプログラミング言語のシンタックスであったり、アーキテクチャであったり、Linuxのコマンドであったり。多くのエンジニアはこれをググって1解決方法を見つけ出すと思います。私自身、今でも現役のエンジニアであるため、例に漏れずググって解決方法を探します。試しにGoogle ウェブ履歴で今月のアクティビティを見てみたところ、平日はだいたい100回前後の検索をしているようです。この全てが開発に関する検索ではないですが、それでも相当なサイトを閲覧していることは明らかです。
つまり、私たちエンジニアはいわゆる先人の知恵を参考にして自分たちの開発に活かしていると言えます。適切な情報を検索して集める、これがインプットであるならば、私たち自身が開発の中で溜め込んだナレッジを吐き出すことはアウトプットと考えています。
アウトプット報酬制度とは
会社のいろいろなプロジェクトで得たエンジニアとしてのナレッジをアウトプットすることに対して、会社が報酬を支払うというものです。ここでいうアウトプットはいくつかありますが、主に
- 社内ブログの執筆
- 自社開催の勉強会講師
- 他社さん開催のセミナーなどのスピーカー
- 本の執筆
などです。これは未来工業創業者である山田昭男氏による改善提案制度に着想を得ています。
未来工業では提案内容を吟味する前に、提出しただけで500円が現金で支払われる。改善提案という行為のハードルを下げるためだ。採用されれば1万~5万円もらえることもモチベーションになるだろうが、とにかく山田相談役は「常識や現状を疑ってかかれ」というメッセージを投げ続けた。それは現在、社内の至る所に張られている「常に考える」という合言葉に表われている。提案件数は年間1万件を超える。
社員のアイデアを引き出す報奨金制度は、多くのヒット商品ともに同社独特のコスト削減の意識にもつながっている。
未来工業の場合には業務に関する改善提案を提出することで500円が支払われ、さらにそれが採用されれば1万〜5万円が支払われる仕組みになっていますが、ZEALOTでは上述のアウトプットをすることによって500円の支払いを保証しています。そしてその内容(これは私の判断になります)によって5000円までの報酬を支払うという制度にしています。
この制度の狙い
ZEALOTという看板を背負った上でこれらのアウトプットをすることは、ひいては会社の知名度やイメージ向上につながっていくものです。例えば継続的にブログを書くことによってPVが伸び、他のエンジニアの目に触れる機会が増え、そして認知されていく、それは社名をブランド化する手段のひとつと考えています。
もうひとつは、アウトプットすることに慣れること。文章を書いたり、聴衆の前で話をするということは簡単にうまくいくものではありません。やはり場数を踏むことで熟れてくるものだと思います。第三者に向けた言い回しを考えることは、日常的に社内で同僚と話しているそれとは異なるので、語彙を変えたり説明に比喩を使ったりすることが身につくと思います。
現在の実績
2013年の夏にこの制度を設け、最初は何件かのアウトプットがありました。しかしその後、残念なことに少し滞りがちになってしまいました。2014年はより多くの人たちにより多くのアウトプット活動をしていきたく、ふんどしを締め直しました。今年になってからブログ執筆を中心に徐々にアウトプットができてきています。私自身もエンジニアとしての記事と社長としての記事を書いていこうと思っています。
-
Googleだけを利用するという意味ではなく、一般的な検索エンジンを利用した検索という意味ですが、あえて「ググる」としました ↩
Pingback: 社内勉強会 Chef & Raspberry Pi | Z BLOG